
「親も高齢になってきたし、そろそろ終活を考えなきゃ……でも、何から手をつければいいの?」――日立市にお住まいの方、そして日立市のご実家を離れて暮らすお子様世代から、こうした声を本当に多くいただきます。終活はやることが多岐にわたるため、「大変そう」「まだ早い」と立ち止まってしまいがちです。しかし、順番と優先度さえ整理すれば、一つずつ着実に進められます。
この記事の要点は次のとおりです。
- 終活でやることは「情報の整理」「医療・介護の備え」「相続・遺言」「葬儀・お墓の準備」の4分野・10項目に集約できる
- 最初にやるべきは断捨離ではなく、エンディングノートによる「現状把握」。40代・50代・60代以降で優先順位は変わる
- 日立市には公営斎場や「おくやみ窓口」など地域特有の支援があり、固有名詞と連絡先を知っておくと手続きが一気にスムーズになる
この記事を最後までお読みいただくと、「終活で何を・いつ・どこで行えばよいか」が具体的な日立市の窓口名・連絡先レベルで明確になります。ご自身の終活にも、遠方から支える親御さんの終活サポートにも、そのまま使える実務ガイドです。
終活とは何か ―― 「死の準備」ではなく「これからを安心して生きる整理」
終活とは、自分の意思や情報を元気なうちに整理し、残される家族の負担を減らしながら、自分自身が安心して人生の後半を過ごすための活動です。
「終活」という言葉は2010年ごろから広まりましたが、いまも「縁起でもない」「まだ早い」と感じる方は少なくありません。それでも関心は着実に高まっています。楽天インサイトが2024年に実施した「終活に関する調査」では、終活の意向がある人は全体の約7割にのぼり、60代女性では「すでに実施している」が16.0%、「近いうちに始める予定」が19.0%と、この年代の関心の高さが際立ちます(出典:楽天インサイト「終活に関する調査」2024年)。
大切なのは、終活を「後ろ向きな死の準備」ではなく「前向きな今の整理」ととらえることです。実際、終活をすでに始めている人ほど生活満足度が高いという調査結果もあります(出典:ハルメクホールディングス「終活に関する意識・実態調査2025」)。やることを見える化し、優先順位をつけて一つずつ進めれば、終活はむしろ「自分らしい後半生をどう歩むか」を考える機会になります。
【一覧】終活でやることリスト10項目 ―― まず全体像をつかむ
終活でやることは、大きく4つの分野・10項目に整理できます。すべてを一度にやる必要はなく、この一覧から「今の自分に必要なもの」を選ぶところから始めます。
- エンディングノートの作成(希望・連絡先・情報の集約)
- 財産・資産の把握(預貯金・不動産・保険・負債の一覧化)
- デジタル終活(ネット口座・SNS・サブスクの整理とパスワード管理)
- 医療・介護の希望の整理(人生会議/ACP、かかりつけ医の確保)
- 老後資金の見直し(退職後の収支シミュレーション)
- 任意後見契約の検討(認知症など判断能力低下への備え)
- 遺言書の作成(自筆証書遺言・公正証書遺言)
- 相続対策・不動産の名義確認(相続登記義務化への対応)
- 葬儀の事前相談・生前予約(形式と費用の見える化)
- お墓の方針決定(承継・墓じまい・永代供養・樹木葬など)
大切なのは順番です。いきなり断捨離や遺言書作成に着手すると、途中で気力が尽きたり、大切な情報が抜け落ちたりします。まずは「①エンディングノート」で現状を書き出し、「②財産の把握」で土台を作る――ここがすべてのステップの出発点になります。
情報と気持ちを整理する ―― エンディングノート・財産・デジタル終活
終活の第一歩は、エンディングノートで「自分の情報と希望」を書き出すことから始めるのが最も確実です。
エンディングノートは「家族への地図」
エンディングノートは、資産や契約の情報、連絡してほしい人、医療・介護・葬儀の希望などを一冊にまとめておくものです。市販のノートで構いませんし、最初から完成させる必要もありません。「書けるところから書く」だけで、万が一の際にご家族が迷わずに動ける“地図”になります。何も準備がないまま急なお別れを迎えると、ご遺族は葬儀の形式も連絡先も遺産の状況も分からずパニックに陥りがちです。反対に、希望が書き残されていれば、ご遺族は故人の意思を尊重しながらスムーズに準備を進められます。
ただし、注意点が一つあります。エンディングノートには法的効力がありません。「全財産を長男に」「葬儀は家族葬で」と書いても法律上の拘束力はないため、財産の分配は遺言書、死後の手続きは死後事務委任契約と、目的に応じた書類を別途用意する必要があります(後述)。
財産の把握とデジタル終活
次に、預貯金・不動産・保険・株式・負債を一覧化します。この「現状把握」ができていないと、相続対策も老後資金の計画も立てられません。
近年とくに見落とされがちなのが「デジタル終活」です。ネット銀行、証券口座、暗号資産、SNS、有料サブスクリプションなどは、ID・パスワードが残されないと家族が死後に解約も把握もできません。パスワード管理ツールの活用や、アカウント一覧をエンディングノートに記録しておくことが、そのまま家族の負担軽減につながります。
なお、日立市のような車社会では、親の「免許返納」が終活を始める自然なきっかけになります。運転を卒業する記念にエンディングノートを一緒に用意すると、今後の生活や万が一の希望を無理なく共有できます。
医療・介護と老後のお金に備える ―― 判断能力があるうちに
医療・介護の希望と老後資金は、判断能力があるうちに家族と共有しておくことが最大の備えになります。
医療・介護の希望と「人生会議(ACP)」
延命治療をどこまで望むか、介護が必要になったら在宅か施設か――これらは本人だけで決めても、家族に伝わっていなければ意味がありません。近年は、本人・家族・医療介護者が繰り返し話し合って希望を共有する「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」の考え方が広がっています。かかりつけ医を確保し、希望をエンディングノートに書き残しておきましょう。
介護は「期間」と「費用」の両面で長期戦になりがちです。生命保険文化センターの調査では、介護期間は平均5年1カ月、月々の介護費用は平均8.3万円とされています(出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」)。老後資金は、退職後の収入と支出をシミュレーションし、「使うお金」「残すお金」を早めに具体化しておくことが重要です。
認知症に備える「任意後見契約」
見落とされがちなのが、認知症など判断能力が低下した後のリスクです。判断能力が失われると、本人名義の預金口座が凍結されたり、不動産の売却ができなくなったりします。
任意後見契約は、判断能力があるうちに信頼できる人(後見人)を自分で選び、代理権を与えておく制度です。家庭裁判所が後見人を選ぶ法定後見と違い、「誰に」「何を」任せるかを自分で決められる点が大きなメリットです。認知症になってからでは契約できないため、健康なうちの早期着手が肝心です。
相続・遺言で「争族」を防ぐ ―― 2024年の相続登記義務化に対応する
相続トラブル(争族)を防ぐ最も現実的な備えは、遺言書の作成と、不動産の名義の早期確認です。
遺言書は「うちには財産がない」家庭こそ必要
「財産が少ないから遺言書は不要」と考える方は多いですが、相続トラブルは高額な遺産がある家庭だけで起きるわけではありません。むしろ不動産が1件あるだけで、売却・共有・分割をめぐって兄弟間で意見が割れることはよくあります。
遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言は手軽ですが、全文自筆・日付・氏名・押印などの要件を一つでも欠くと無効になります。確実な執行とトラブル防止のためには、公証役場で作成する公正証書遺言が安心です(手数料は財産額により異なります。詳細は日本公証人連合会 https://www.koshonin.gr.jp/ でご確認ください)。
2024年から相続登記が義務化された
終活・相続で絶対に知っておきたい法改正が「相続登記の義務化」です。2024年(令和6年)4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられました。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
さらに重要なのは、この義務化が過去の相続にも遡って適用される点です。2024年4月1日より前に発生し、名義変更されないまま放置されている不動産も対象で、原則として2027年(令和9年)3月31日までに登記が必要です(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)。日立市にご実家があり遠方に住むお子様は、まさに当事者です。まずは実家の不動産が現在誰の名義になっているかを確認しておきましょう。
葬儀後に実家の片付けと相続に直面したときの進め方は、日立市で葬儀後に直面する実家の片付け・相続の問題にまとめています。
葬儀とお墓を準備する ―― 日立市の公営斎場と事前相談の使い方
葬儀とお墓は、事前相談で「形式」と「費用」を見える化しておくことで、いざという時のご家族の精神的・金銭的負担を大きく減らせます。
日立市の葬儀費用の目安と公営斎場
企業城下町として発展した日立市では、かつて大規模な一般葬が主流でしたが、近年は親しい親族のみで見送る「家族葬」や、儀式を省く「直葬(火葬式)」が急増しています。日立市・県北エリアの費用の目安は、直葬(火葬式)が約25万円前後、家族葬が約50万〜80万円、一般葬が約100万円〜です。
日立市には市民が安価に利用できる公営セレモニーホールが複数あり、自社ホールの高額な使用料をかけずに式を行えます。代表的な施設は次のとおりです。
- 平和台霊園(日立市諏訪町1030)――市内で最も利用が多く、規模に応じて式場を選べる
- 金沢葬祭場(日立市金沢町2丁目18-6)
- 鞍掛山葬祭場(日立市滑川町3163-9)
- JA日立南部葬祭場(日立市茂宮町770)
なお、「基本プラン◯◯万円」という表示だけで葬儀が完結することはまずありません。飲食費・返礼品・お布施・斎場使用料などの変動費・実費を含めた「総額」で見積もりを取ることがトラブル回避の鉄則です。費用の内訳と抑え方は日立市の葬儀費用と相場の詳しい解説で確認できます。
事前相談・生前予約という選択
葬儀の事前相談には、費用が明確になる、万が一の際にパニックを防げる、自分らしいお見送りを実現できる、という3つのメリットがあります。プランや費用をあらかじめ決めておく「生前予約」まで進めておけば、ご家族が「何をどうすればいいか」で悩むことがなくなります。事前相談の使い方と注意点は日立市で始める終活の第一歩・お葬式の事前相談で詳しく解説しています。
お墓の方針と「おひとりさま」の備え
お墓は、承継する人がいるか、通い続けられるかを基準に方針を決めます。日立市の霊園は見晴らしのよい高台にあることが多く、免許返納後は「坂を上ってのお墓参り」が困難になりがちです。無理が出てきたら、近くへの改葬、永代供養、樹木葬、散骨などへの移行(墓じまい)を子世代主導で検討しましょう。墓じまいには日立市役所での「改葬許可申請」が必要です。
配偶者や子がいない「おひとりさま」の場合は、葬儀・納骨・行政手続き・支払い・解約などを第三者に託す「死後事務委任契約」が有力な備えになります。詳しくは身寄りがなくても安心のおひとりさま終活と葬儀準備をご覧ください。
年代別の優先順位 ―― 40代・50代・60代以降で変わる進め方
終活は「60代から」というイメージがありますが、実際には各年代でやるべきことが異なります。自分の年代に合わせて優先項目を選ぶのが、無理なく続けるコツです。
- 40代:「知る・備える」時期――保険やローンの把握、老後資金の積み立て開始、エンディングノートの着手。親御さんの終活サポートが始まる時期でもある
- 50代:「本格準備」の時期――資産一覧の作成、退職後の収支シミュレーション、生前整理とデジタル資産の整理、自筆証書遺言の作成検討
- 60代以降:「仕上げと実行」の時期――公正証書遺言の作成、人生会議による医療・介護の希望整理、任意後見契約や死後事務委任契約の締結、葬儀・お墓の事前手配
判断能力を要する法的書類(遺言書・任意後見契約など)は、健康なうちにしか作れません。「まだ早い」と思う段階での早期着手が、結果的にいちばんの安心につながります。
日立市で終活を進める人のための窓口・手続き先一覧
日立市には終活・相続に関する公的な相談・手続き先が揃っています。連絡先を控えておくと、いざという時に迷いません(各機関とも相談は事前予約制の場合が多いため、訪問前に電話確認をおすすめします)。
- 日立市役所(代表):0294-22-3111/「おくやみ窓口」は本庁舎1階・市民課内で事前予約制(内線283)。複数の手続きを一箇所でまとめて案内してもらえます
- 高齢福祉課・介護保険の窓口:介護保険の資格喪失や高齢者支援制度の相談先(市役所代表 0294-22-3111 経由)
- 日本年金機構 日立年金事務所:茨城県日立市幸町2-17-5/0294-21-3211(年金相談は予約制。ねんきんダイヤル 0570-05-1165)
- 水戸地方法務局 日立支局:茨城県日立市若葉町2-1-3/0294-21-4265(相続登記・不動産の名義変更の相談先)
- 日立税務署:茨城県日立市若葉町2-1-5/0294-21-5121(準確定申告・相続税の相談先)
参考までに、葬儀後に生じる主な期限は次のとおりです。世帯主変更届と健康保険・介護保険の資格喪失は14日以内、年金の受給停止は国民年金が14日以内・厚生年金が10日以内、準確定申告は4カ月以内、相続税の申告・納税は10カ月以内です。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します(出典:国税庁「相続税の計算」)。日立市の国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合は、申請により「葬祭費」5万円が支給されます(申請期限は葬祭を行った日の翌日から2年以内)。葬儀後の手続きの全体像は日立市で葬儀後に必要な手続き一覧にまとめています。
よくある質問(FAQ)―― 読者の疑問にズバリお答えします
Q1. 終活は何歳から始めるのが適切ですか?
「何歳から」という決まりはなく、思い立ったときが始め時です。情報整理やエンディングノートは40代から着手しておくと、50〜60代での本格的な手続きがスムーズになります。特に遺言書や任意後見契約などの法的書類は、判断能力があるうちにしか作成できないため、健康なうちの早期着手が重要です。
Q2. 何から始めればいいですか?
まずエンディングノートで自分の情報と希望を書き出し、次に預貯金・不動産・保険・負債を一覧化する「現状把握」から始めてください。断捨離や遺言書作成は、この土台ができてから取り組むと迷いません。
Q3. エンディングノートがあれば遺言書は不要ですか?
いいえ。エンディングノートには法的効力がありません。財産の分配を法的に有効にするには遺言書、死後の手続きの委任には死後事務委任契約、認知症に備えた財産管理には任意後見契約と、目的に応じた書類を別に用意する必要があります。
Q4. おひとりさまは何を最優先すべきですか?
死後事務委任契約と任意後見契約の2つです。配偶者や子がいない場合、亡くなった後の手続きや判断能力低下後の財産管理を担う人がいません。「誰が何をするか」を生前に契約で決めておくことが、周囲への負担を最小化する最も現実的な備えになります。
Q5. 遠方に住んでいて、日立市の実家に頻繁に帰れません。親の終活相談はできますか?
できます。日立市の葬儀社では、ZOOMやGoogle MeetなどのWEB会議システムを使った無料相談に対応しているところがあり、距離を気にせず打ち合わせが可能です。状況によっては実家へ様子伺いをしてもらえる場合もあるため、まずは地元の事情に詳しい相談先に連絡してみましょう。
Q6. 終活にはどれくらい費用がかかりますか?
内容によって大きく異なります。ハルメクホールディングスの調査(2025年)では終活にかかった費用の平均は約503万円とされますが、これは葬儀・墓地費用などを含む総額です(出典:ハルメクホールディングス「終活に関する意識・実態調査2025」)。エンディングノートや情報整理は数百円〜数千円から始められ、必ずしも最初から多額の費用が必要なわけではありません。
この記事の監修者
益子 建(有限会社しんあい祭典 代表取締役)
日立市桜川町で創業25年、地域密着の葬儀社の二代目として数多くのご葬儀・終活相談に携わる。日立に暮らして57年。医療・介護・不動産・相続(税理士・弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナー)の地元専門家ネットワークを持ち、葬儀の前後をワンストップで支える体制を整えている。終活相談は、ファイナンシャルプランナーの本橋 寿幸が担当。
公開日:2026年7月14日 / 最終更新日:2026年7月14日
(初版公開。相続登記義務化〔2024年4月施行・過去の相続は2027年3月末までに登記〕を反映しています。)
参考文献・出典
- 楽天インサイト「終活に関する調査」(2024年)
- ハルメクホールディングス「終活に関する意識・実態調査2025」
- 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(介護期間・介護費用)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/
- 国税庁「相続税の計算(基礎控除)」 https://www.nta.go.jp/
- 日本公証人連合会 https://www.koshonin.gr.jp/
- 日立市公式ホームページ(おくやみ窓口・各種手続き) https://www.city.hitachi.lg.jp/
運営者情報:有限会社しんあい祭典
所在地:〒316-0002 茨城県日立市桜川町4-11-12(平和台霊園をおりてすぐ/霊安室完備)
電話:0294-36-6700(24時間365日受付・ご相談無料)
設立:平成13年10月
対応エリア:日立市全域・高萩市・北茨城市・常陸太田市 ほか県北全域
公式サイト:https://shinaisaiten.com/
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